バリ島農園だより Vol.10 ~バリ島の儀式の準備~
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バリ島には数えきれないほどの様々な宗教儀式があります。
そしてバリの人々はその給与水準からは考えられないような金額を毎年その宗教儀式に費やしています。
もちろん時間も、、、、お出かけする暇もろくにないようなほど、次々と儀式とその準備がやってくることも。
ガルンガンという、一年に2度あるバリ島のお盆のような儀式も目前に控えていますが、今回はムラスパス(新築の儀式)とムサンギ(成人の儀式)が合わさった大きな儀式の準備にお邪魔してきました。
↑ピカピカの家寺、準備しているのはこの家寺のムラスパスです。
こちらの家ではこの鮮やかな塗装も家族や親戚が協力して塗っていました。
そして一か月以上も前から、膨大な量のお供えを親戚一同協力して手作業で準備していきます!
↑こちらのお供えには主にスパイスとして料理に使われるものなどが乗せられています。
日本人の私から見ると、親たちがずっと忙しいせいでなかなかお出かけができなくて子供たちがちょっとかわいそう💦
バリ島でも現代の子供たちはオンラインゲームに夢中、ちょっと近頃は問題になってきているほどです。
そしてお供えを作るのは基本的に女性。男性は力仕事専門です。
↑熟練のおばあちゃんたちは鮮やかな手さばきでお花のお供えを作っています。
↑お供えのヤシの木をもらいに、親戚のおうちへ。
庭のヤシの木からながーーーーいカマでヤシの実を落とします。
このヤシの実は大量に集めて、お供え用に一つ一つ鉈で外の皮をむき、卵のような形にしていくのですが、これがまた何とも大変な作業。
↑こちらが外皮が剥かれたヤシの実入りの大きなお供え。
こうやって一か月以上もかけて準備をして、儀式そのものも丸3日間続けられますので、日本人には全く考えられない労力です。
自分の家の儀式だけでなくて、親戚の家の儀式も同じように手伝わなければいけませんから、ほぼ毎月毎週のようにバリ島の田舎の人々は儀式の準備をしていると言っても過言ではないでしょう。
現代のバリ島の人々は会社勤務をしている人も多いですから、仕事との両立はなかなか難しいのではないかといつも思っています。
特にいまだに昔ながらの男性優位な文化のバリ島では、家事や育児に加えて日常のお供え、家業の手伝いも含め女性が背負う部分がとても大きいので、バリ島の奥様たちは毎日大忙しで、大変そうです。
戦前の日本ももしかするとそういうような感じだったのかもしれませんね。
さてさて、本番の儀式の様子はまた次回!